完結。下巻はずいぶん分厚くなっているが、そのぶん読み応えもばっちり。緊迫感と笑いのバランスが絶妙でかなり楽しめたので、上巻から通してじっくり読み返した。
蝉しぐれの中で厳寒の殺人事件を読むというのもオツなものだ。しかしメイドが聞いた犯人のげらげら笑いは怖かった……。解決編に入ると紙の色がグレーに変わる（いささか読みにくい）。謎の連続殺人犯“テツキラー”の正体はかなり意外だった。でもミステリ的にはどうなのか、と思うんだけど……まあ
綾辻さんのは割といつもこんな感じだけど……テツたちが愛しいのでいいかなと。あの傍若
無人なテツたちにいつのまにか感情移入しちゃってたよ。これは佐々木さんの功績なんだろうなあ、
綾辻さんのは割といつも人間書けてな(ry なかでも模型テツのキャラの立ちっぷりは見事。元ネタは
綾辻作品らしいですね。獣医の収集テツがいつも検屍をさせられるというお約束ギャグも好きだった。もう少し続きが読みたかったな、番外編として
空海の初鉄道体験記とか。あとがきオマケ漫画に小野さんが１コマ登場してたのはちょっと嬉しかった。佐々木さん次はどんなジャンルに挑戦するのかな。怪談とか？
