読了本

期待が大きかっただけに点が辛くなってしまう。壮大な物語になりそうなのに小イベントばかり起こって話の細切れ感が強かったのは、この巻がおもな登場人物の顔見せを兼ねていたせいもあるのだろうが、もうちょっと勢いのあるドラマの流れに浸らせてほしいと思う。また乙女の萌えツボつこうとする作意もすこし鼻についてきたし(光焔なんかかなりあざとい)、主人公がちっちゃなことでぐだぐだ悩んだり、青くて甘っちょろいことばっかりいってたりするので共感しづらい。あとキャラが語尾に「ー」つけて話すのは最小限にとどめてほしい。
アリアはじっさい幼いのだから仕方ないのかもしれないけど、もうちょっと成長させてくれないとこの先つらい。周囲(含む幻獣)が甘やかしすぎなのではなかろうか。主人公は鍛えてなんぼ、いじめてなんぼ。ミルテあたりがもっと引っ掻き回したらいいのに。幻獣をやたら人命救助に使ったが、この先戦争の道具にされそうな気もするのでそのへんの主人公の葛藤をどう処理するのかとか、また他の巫女姫はどうなのかとか……。展開が遅いのとヒロイン幼いのは作者も分かって書いてるみたいなので、張り巡らされた伏線の回収を楽しみに待ちたい。次の巻はいつ?