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あしながおじさん」の舞台を昭和初期の日本に置き換えてコミック化するという発想がまず楽しい。和風レトロ調が不思議なほどしっくりなじんでおり、原典を知ってる人ほど楽しめる小ネタも満載だ。原作のユーモアセンスをあますことなくとりいれたうえ、小粋でほのぼのした勝田さん独自の味わいも加味されて、オリジナルに負けてない爽やかなラブストーリーに仕上がっている。坊ちゃんはかっこいいし、いつきはかわいいし、読んで損なしの逸品。
妹の体に事故で死んだ兄の魂が入り込むという切ないファンタ
ジーと、一体二魂の二重生活が巻き起こすドタバタラ
ブコメディ、１冊でふたつの味が楽しめる。それだけにいろいろ盛り込みすぎな印象もあるが、シスコン兄がかわいいから許す。心残りがなくなったはずなのになんで消えないのかという点がウヤムヤにされてる気がするけど、この辺りで長編化が決まったんかなあ。それにしても斎藤さんはメガネ男子が好きだねえ……。
中有に迷う死者の憩いの場であり、待ち合わせの場でもあるレストラン「GHOST ONLY」のウェイトレスになった勤労少女えま（ちなみに生者）が主人公のハートフルストーリー。幽霊といってもいろいろで、天寿をまっとうする人もいれば、病気になったり事故に遭ったり、また事件にまきこまれた場合もある。あゆみちゃんの話には泣いた……。２巻へ続くのかな？ お色気むんむんの水砂の過去、ガイコツ榎本の生前の顔が気になるのだが、描かれるのだろうか。
子どもたちが観るアニメを作ってるのは大人で、大人は生活してかなくちゃいけない。
機械的に数をこなすことを要求され、金勘定やら恋愛沙汰やらがからんで身動きとれず、体も心も磨り減らし、幻滅続きでいつしか夢も見なくなる……。社会に出て働くってそういうことでもあるのだが、「うまくなりたい」という思いになりふり構わずしがみついていてもいいんだ、とようやく割り切ってアニメ界の混沌に自ら分け入って行くイチ乃の姿は感慨深かった。強くなったなー。負けてらんないかも。
