読了本

グルメ探偵、特別料理を盗む (ハヤカワ・ミステリ文庫)

グルメ探偵、特別料理を盗む (ハヤカワ・ミステリ文庫)

珍しい食材やレシピを探し出したりマーケティングの相談にのったり、料理関係が専門の探偵“ぼく”が主人公のコージー寄りミステリ、シリーズ第1作。“ぼく”は美食家なだけに結構スノッブなやつで、かりにもグルメ探偵を名乗るならB級グルメも差別すんなよと思わないでもなかったのだが、相当なドジであることが判明してからは生温かい目で見守ることができるようになった。料理は確かによだれものだ……ただ日本料理はあまり美味しそうに描けてなかったな。主人公はミステリマニアという設定なので古今東西の名探偵の名前が言葉の端々に登場するのが楽しい。あと<ブッカリー・クックス>のマイケルが頼もしくて好きだ。

きみときみの自転車 (エンタティーン倶楽部)

きみときみの自転車 (エンタティーン倶楽部)

沢村凛が児童向けミステリを書いてるのは知らなかった。これは『ぼくがぼくになるまで』の続編。……ということすら気づかずうっかり先に読んでしまったので、不思議な女の子ルリ関連の含みについてはあまり堪能できなかったのだけど、自転車泥棒探索とその顛末はかなり楽しめた。物語の語り手・一史と天地くんとの友情物語としてもおもしろい。たぶん前作では活躍してたのだろうが、ルリの義理の弟・直斗の影が妙に薄かったのはどうしてかな。