読了本

神雕剣侠〈1〉忘れがたみ (徳間文庫)

神雕剣侠〈1〉忘れがたみ (徳間文庫)

映像化にあわせて(か?)文庫化開始。「射雕英雄伝」の続編にあたる。主人公の楊過は前作で数奇な運命をたどったダーティキャラ楊康の遺児だ。愛を知らずに育った少年は持ち前の反抗的な性格から人々に疎まれさらにヒネくれるが、卓越した武芸を身に付けた氷の乙女・小龍女との出会いにより人生が一転する。師弟の枠を越えて惹かれあうふたりの前には幾重もの壁が立ちふさがり……とこう書いていくとなんだかよくあるメロドラマみたいだけど、金庸武侠小説は想定内に収まるような並の展開とは縁がない。だいたい普通のメロドラマには横恋慕のあげく平然と一族郎党皆殺しにする無敵の悪女なんて出てこないもんなあ。とにかくどのキャラもやることなすこと突き抜けているので、ページをめくるたび驚かされる(思い込み激しすぎ!とも思うけど)。個人的には「笑傲江湖」と並んで好きな長編。

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