読了本

狼と香辛料 (電撃文庫)

狼と香辛料 (電撃文庫)

ちょっと前に新聞書評でもとりあげられ話題になった。ライトノベル&ファンタジーに秩序立った商売・経済の要素を取り入れたところに新鮮味がある。最近「シャングリ・ラ」で描かれた近未来的なバーチャル経済システムには思わずぶっとんだが、こちらでは中世ヨーロッパ史を下敷きにした商品・貨幣経済がまじめに堅実に物語の中へ織り込まれている。派手さはないけれど面白い。
文章はしっかりして読みやすい。少し硬めだけど徐々に書き慣れていくだろうと思う。古き神である賢狼ホロのキャラもとても可愛い。少女の容姿で熟女の手管を使い、わっち・ぬし・ありんせん・くりゃれ等の廓ことば(歌舞伎風?)をあやつるあたりにコケティッシュな魅力を感じる。でもあの口調はただの個性づけでしかないのかな? ロレンスをはじめ誰も不思議がらないところをみると。

カップ酒スタイル (ちくま文庫)

カップ酒スタイル (ちくま文庫)

カップ酒ブームというのは耳にしていたのだが、酔っ払いオヤジがあおってるアレ、なネガティブイメージはまだまだ根強かった。でもこの本ですごく楽しそうに語られていたから(ブームに乗って書かれただけの本では決してない)、ものは試しとひとつ買ってみたのである。……む、美味しいじゃないか。持ち運びに便利なカジュアルさ、フタを開ければすぐ飲めるお手軽さ。いいねー、これからは積極的に楽しもっと。
東海道五十三次カップ酒を求めて歩き、証拠写真も撮るという渾身の脱力企画はかなり面白かったが(坂下宿のくだりはヒネリがきいててうまいなあ)、とくに傑作だったのは酒豪・若山牧水の墓にカップ酒を供えよう!というやつ。オチに思わず吹きだした。ちなみに私の初カップ酒体験は近所のスーパーで購入した「パンダカップ」であった。
http://www.rakuten.co.jp/hidanosake/672050/673933/