読了本

舞台がととのい役者も出揃い、満を持して突入した<風雲!州牧編>そして<哀・影月編>。待っていたのはこれまでのドタバタも奮闘もすべて序章にすぎなかったかのような怒涛の展開だった。じっさい官吏としての道を歩み始めた秀麗にとってはこれからが本番なのだろうけども。こんなにも影月がクローズアップされることになろうとは正直意外だったのだが、ついつい泣かされてしまった。こういう健気な子には弱い。静蘭や劉輝なんてもうすっかり影が薄くなっちゃって。
あらたなる謎がわんさか出てきて幻想色は強まってきたものの、ギャグは健在で“蜜柑”のくだりには思わず吹き出した。私好みの美老人は登場するわ(脳内キャスト:西村晃)、酒豪と呑みっくらはするわ、商人相手に駆け引き合戦はするわ、病魔撲滅のため熱い闘いが繰り広げられるわと巻を置くことあたわずの面白さですっかり寝不足だ。しかし秀麗の乗り越えるべきハードルはどんどん高くなっていくなあ。