いつにもまして話が分かりにくいような。サラッと読めないところも魅力なんでしょうが。「介添人」は蝸牛と八重子おばあちゃんのロマンスが語られると同時に
篤志=八名瀬だったりして、時系列も前後する(?)ためかなりややこしいことになっていた。尾白と尾黒の前身(?)や飯嶋家との縁(?)、鬼灯の正体が明らかに(?)なったりと外伝的印象もつよい巻。律の佐久間ゼミ入りは今後の展開の鍵となるのか? 若き日の八重子みたいな元気キャラは今作品ではちょっと珍しくて可愛いかった。
今回はめちゃくちゃ面白かった。いちばん笑ったのは「大車輪」。どってことないギャグでも間がよくてツボにはまると効くな。それから「
トキワ荘」ね。泣けたのは密航者・粂蔵や
ナイチンゲールの逸話。彼らの謎はいつか解明されてほしいものだ。歯に衣きせぬ性格のせいで
村田蔵六の立場が不隠になってきてるのが怖い。
福沢諭吉が
大阪弁(か?)を話すのだけちょっと違和感あり。これもギャグなのだろうが、やっぱり中津弁でお願いしたかった。
親に捨てられ遠い親戚に預けられることになった幼い女の子。新しい暮らしが始まったが、コワモテで職人気質の通称“アニキ”に馴染むのはなかなか大変なのだった……。この作者はずっと子どもを描き続けているんだね。ゆずちゃんの可愛さはけっこうあざといとも思うんだけど、そう思う私が汚れてるだけかも。劇甘チョコレートと海水浴の話が好き。ゆずが大人になっても、このときの思い出は一生忘れないんだろうな。