2006-04-27 読了本 ページをめくれば (奇想コレクション)作者: ゼナ・ヘンダースン,安野玲,山田順子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2006/02/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 14回この商品を含むブログ (49件) を見る〈奇想コレクション〉の未刊行分も残りわずかになってきた。これは《ピープル》シリーズで有名なヘンダースンの本邦初訳を含む短編集。私にとっても初めて読むヘンダースンの作品である。常に教職にあった女性の作品らしくほとんどの話が子どもを題材にするが、とりわけユーモラスな「いちばん近い学校」も含めどこか切なくほろ苦い味わいを後に残す。夢と希望に満ちあふれるどころかシビアな現実と真摯に向かい合わねばならない職業についた作者の人生観が反映されているのだろうか。「おいで、ワゴン!」と「ページをめくれば」はクライマックスのあとの転調に胸を塞がれる心地がした。