読了本

砂漠の狂王―マロリオン物語〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)

砂漠の狂王―マロリオン物語〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)

予言どおりに事が進むのと、その予言の内容が前作とさほど変わらないあたりは正直どうかと思うのだが、その割に物語の奔放さは失われておらず、キャラの個性の豊かさと会話の妙でぐいぐい読ませるところが魅力のシリーズ。ヴェルヴェットことリセルの再登場は展開に弾みをつけてくれたし、ウルギット王のもたらした一連の騒動はとても愉快だった。特に傑作だったのが宦官サディのペット、猛毒ヘビのジスに魅せられたリセル。何もあっためてあげようとしなくても。