読了本・コミックス

カタリベ (SPコミックス)

カタリベ (SPコミックス)

祝・コミックス化。読めないのを嘆いていたら水面下でこんな企画が進んでいたとは。リイド社えらい(ゴルゴだけじゃないんだな……)。「かもすぞジャパン!」も引き続き絶賛開催中だし、「『大人な事情』を乗り越え、全力で“かもして”ます!」というコメントも泣かせる。カラー頁が連載時のまま再現されてるのも嬉しい。
南北朝時代の日本ならびにアジアの海を舞台にした壮大なスケールの海洋冒険活劇。13話で未完のままなのが残念だ。“語り部”となった少年の旅路はまだ始まったばかり、九姓漁戸だってひとりも甦らせてないし、女直族の少年も顔見せ程度で話にからんできてないのにー。作者のサイトによれば全30話の構想らしいので、いつかぜひ続きを読ませてほしいと思う。「もやしもん」で忙しいんだからムリと思いつつも実は描き下ろし完結をちょっぴり期待してた。でも加筆描きなおしはところどころあるようだ。12ページの紅鶴とか269〜270ページの胡蝶の顔なんかは今の絵ではなかろうか。
知れば知るほど面白い時代だとは思うけど、私はまったくの不案内なので用語や世界情勢などとにかく分からないことだらけ。で、付け焼刃だがいろいろググってみたりしている。マエカワは実在の人物なの? コシラムがアイヌならカラクマは何だろう。松浦党は1字の名前を名乗る一族だとか。琉球に売られた奴隷の“扱いの良さ”は史実? もしカタリベが五十年生き抜いたらどんな時代になってる? なるほどバハンってのは「八幡」の音読みなのか。深くて濃いなー。

リイド社「カタリベ」立ち読みページ
http://www.leed.co.jp/www3/contents/CONISBN4-8458-2873-1.htm