ミミズを飼う

「ミミズコンポスト」をついに我が家にも導入した。ずっとやりたいなーと思い続けていたのだが、『酒ラボ』ISBN:4063721248くれた。サエちゃんがやってるのを見ると予想以上に保守が簡単そうなんだもん。なんといっても家の中でやれるのがいい。においもほとんどしないというのもいい。生き物を飼うのに躊躇はあるものの、ミミズは嫌いじゃないし、ミズアブは注意すれば防げそうだ。
さて、衣装ケースとボカシ容器を利用した生ゴミ堆肥化を1年間続けてみて思ったのは「このままではしんどすぎる」ということだ。我ながら1年間よくがんばった……家族は協力してくれたが。一番困ったのが悪臭、二番目が不快害虫。どちらも初夏から初秋に発生し、寒い時期はほとんど悩まされない。生ゴミコンポストをもっとも楽にやれるシーズンは意外にも真冬なのだった。糸状菌や放線菌が助けてくれるし、生ゴミの量も少ない。
だから冬はミミズに休んでもらってもいい、夏に大活躍してくれるなら御の字である。なにせ夏は生ゴミがかなり増える。とうもろこし、枝豆、スイカ、グレープフルーツなどをよく食べるし、抜いた雑草や剪定枝もけっこう出る。一次発酵させるためにゴミをためこむボカシ容器はすぐにいっぱいになってしまい、処理に追われるはめになる(容器のフタにもやしもんの菌を描いた札を貼ってかもしのお守りとしてた)。
だいたい半月にいっぺんの頻度で、一次発酵させた生ゴミを土に混ぜこんで堆肥化させる作業をくりかえすわけだが、好気性の微生物に生ゴミを分解させるためには、土をよく混ぜて空気を含ませる必要がある。だが水分をたっぷり含んだ土はとにかく重い。筋肉は痛むし腰には来るしで、終わる頃には暑さも手伝ってへとへとだ。
春先まではボカシによる発酵臭はさほど気にならなかった。が、水気の多い土を少しでも乾かそうと日光に当てたのはまずかったらしい。おそらく善玉の微生物が紫外線で死んでしまったのだろう。土からはドブのような腐敗臭がするようになり、透明のケースには藻が生えたので、あわてて容器を日陰に引っ込めた。以後はほとんど太陽にさらしていない。
さらに、くたびれたからといって作業の途中で休憩などはもってのほかである。ゴミの臭いをかぎつけて虫が飛んで来る。ちょっと覆いなしで生ゴミを放置しようものなら、たちどころに卵を産み付けられる。私も最初はのんきにやっていたが、すぐに未処理のゴミや土をむき出しにするのはやめるようになった。不織布で覆ったり、石灰をまいたりしても根絶は難しいが、コバエやダンゴムシトビムシくらいならまだ耐えられるのだ……。
ミズアブ(アメリカミズアブ)は恐怖のエイリアンだ。いやダース・ベイダーだ。ガタイがでかくて黒光りしている。まあ人を刺したりはしないのだが、うなりをあげて飛んでこられると大声で叫びながらホウキを振り回してしまう。素早いため仕留めるのが難しいのも腹が立つ。こいつのウジがボカシ容器内に湧くとひどい悪臭を伴うらしい。ゴミを分解してくれるのだからとしばらくは我慢していたが、やっぱり嫌いだ。
というわけで、去年の失敗を踏まえ、生ゴミコンポストにはさまざま改良をほどこしつつも、ミミズコンポストも併用することによって今年もよりいっそう生ゴミ堆肥化をすすめていこうと思っている。予定では楽になるはずなのだが、まあミミコンもうまくやっていくためにはいろいろとクリアしなければならないポイントが山ほどあるわけで、もしかしたらしんどさ2倍になってしまうかもしれない。
ミミズの住処はhttp://www2.ocn.ne.jp/~makiki/さんを参考にした木製ロープスタンド・フロースルーの設計図を見せたら父が作ってくれた。が、なにやら外見に懲りすぎて容量が小さくなってしまった(約75Lのはずが約35Lくらい)ため、急遽http://www.hct.zaq.ne.jp/cpbqx904/index.htmlさんを参考にした木製プランター(約20L)も準備。ヤシ繊維を水で戻した詰め物を入れてミミズの到着を待った。
ミミズは相模浄化サービスホームページから注文し、約1週間で輸送用の詰め物と一緒にダンボール入りで送られてきたのだが、それがだいたい10Lほどになるとはちょっと想定外だった。ミミズが1.5kgだから2Lくらいかなと思っていたので、用意した容器ふたつではあふれてしまう。そこでさらに追加でプラスチック・プランター(約18L)を用意したというわけだ。絵に描いたようなドロナワ状態に思わず苦笑いである。
3つの住処にミミズを投入したのは昨日のこと。今朝、出勤前にミミズたちの様子を見てみたら、なんとフタなしのプランターから盛大に脱走していた。ひええ。新しい住処に馴染むまではこういうこともあるらしい。逃げ出したミミズを戻していたせいであやうく遅刻するところだった。しばらくは夜も電灯の下に置き、光の苦手なミミズが詰め物にもぐるのを待つ。早く落ち着いてくれるとよいのだが。
生ゴミ投入はもうちょっと暖かくなってから始めるつもりだが、木製プランターをひとつ部屋の中に入れようかなと画策している。今の置き場は無加温のガレージ内なのでかなり寒く、ミミズはほとんど活動してくれないだろう(真夏は涼しくて快適なはず)。家族の了解が得られれば……でもこっそりやっちゃおっかなー。