読了本

アラミスと呼ばれた女

アラミスと呼ばれた女

アラミスと聞いて連想したのは『アラミス’78』だったのだが、三銃士のほうか(まあそりゃそうだ)。この前観たばかりの『新選組!! 土方歳三最期の一日』のメインキャラの一人でもあった榎本釜次郎(武揚)のために陰となり日向となって力を貸し、支え続けた女性お柳の生涯を描く。ブリュネのスケッチ“アラミス”は実在するのだろうか(後日『函館の幕末・維新 フランス士官ブリュネのスケッチ100枚』ISBN:4120016994てるのを見たが、お柳が文句をつけたのもむべなるかなと思った)。その一枚からこれだけの物語を作ってしまうのだから作家って凄い。お柳の登場しない史実の部分は、私には散文的すぎてちょっと退屈だったけども……。ブリュネはフランスのダルタニャンと呼ばれたそうだが、戊辰戦争においては自分をアトスになぞらえていたかもしれない。ダルタニャンを釜次郎にだぶらせながら。するとポルトスは大鳥あたりかなあ?