読了本

奇想コレクションとして出なかったら一生読む機会がなかったかもしれない。ありがたいことである。オチがすとんと決まる「物は証言できない」「ラホール駐屯地での出来事」、幻想と怪奇の入り混じった「クィーン・エステル、おうちはどこさ?」「そして赤い薔薇一輪を忘れずに」、やさしさと哀しみに満ちた「さあ、みんなで眠ろう」「パシャルーニー大尉」がとくに印象深い。「ナポリ」は意味がさっぱり分からず、「ここはとあるレストラン/人気メニューはナポリタン」という例の小咄に通じるものがあるのかと勘ぐってしまったが、世界幻想文学大賞を受賞してるんだなあ。ナポリ。って終わるところが意味深な気もするんだけど。