読了本

ネクロポリス 上

ネクロポリス 上

ネクロポリス 下

ネクロポリス 下

ヒガンのあいだにアナザー・ヒルに滞在すると死んだ人に会えるという。訪れる死者は「お客さん」と呼ばれ、けっして嘘を語らない。おりしも巷では「血塗れジャック」なる怪人が跋扈、その犠牲者の口から真実が語られるだろうと人々は期待を込めて噂しあっていた――。イギリスと日本の気風、そしてフォークロアが絶妙に混ざり合ったパラレル・ワールドで繰り広げられるホラー・ミステリ。いやはや、下巻の半分くらいまでは息をもつかせぬ面白さで、次々起こる怪異におののきつつ、やっぱり恩田陸は異常事態を書くのが異様に巧い、この先どうなるか予想もつかない、これは傑作かも! とか思っていたのだけど。ラストがやっぱり「いつもの恩田陸」だった。なんでかね……締めに入る前にアドレナリンが切れちゃうのかな、ガッチみたいな凄いシーンを書きすぎて。これで終わりじゃなくて続編があるというならまだ納得がいくのだが。