週末のテレビ

大河ドラマ義経」、最終回「新しき国へ」。うっわー。待っていたのは予想のはるか斜め下をいく驚きの展開だった。支離滅裂どころじゃない、なんでこんなにショボくてトンデモない終わり方になっちゃったのかね。
駆け足すぎの平泉は藤原三兄弟がいい味出してただけにもったいなかった。清盛の屏風を再三登場させる意図が最早わからない。伏線を回収したつもりなのかもしれないが、持ち主に祟る呪われた屏風というホラー演出のほうがまだ納得。桜に金粉、紅葉に引き続き白菊の花びらを乱舞させるという謎のこだわりも健在だった。だいたい何でお堂が爆発するの? 火薬はまだないだろうからバックドラフト現象か何か? 白馬が飛び出して空を駆け上るとはあんまりだ。一瞬の幻、目の錯覚とかならともかく集団幻視かいな。正統派大河が売り文句だったはずなのにウケ狙いの伝奇もどきにしちゃうなんて、これを変節といわずして何と言う。
涙もろいほうだから文句言いつつも泣いちゃうかもな、なんて観る前は思ってたのに、まさか彼らの死にざまに失笑させられることになろうとは。駿河次郎はまだ良かったが、ナンちゃんのカニはコントだし、義経自害で白く発光するのも酷い。弁慶にいたっては絶句。もっと自然な演出だったら話にのめり込めたろうに。うつぼが女の身で戦場に平気で出入りして、はては無事に帰京するのもご都合主義のきわみ。んで、烏丸のとってつけたような琵琶法師化。ならばせめてひとふし語ってきかせるくらいしてくれないと。新しき国を目指したはずの義経の魂が鞍馬へ戻ってくるとはこれいかに。頼朝が泣いてたけど彼の苦悩なんかぜんぜん伝わってこなかった。
感動もへったくれもない、山場もオチもない、リアリティない、これで終わりという感慨すらない。なんというか、素材は悪くないけどザツに作られたがために大味になっちゃったごった煮という印象。船頭多くして船山に登っちゃったのかなー。1年間観てきたけど、年末の総集編を観る気も、ましてやDVD買う気もおこらない。まあ最終回は別の意味で面白かったんで、土曜の再放送を観直して〆としよう。


BSでチャングム特番がたくさんあって面白かった。今週から始まる後半集中再放送も楽しみ。まだ4巻36話までしかDVD-BOXが発売されていないからちょうど良い。しかし特番では医女編のネタバレシーンをずいぶんたくさん観てしまったなあ。前半のクライマックス、26・27話のハン尚宮はまさに神がかった演技だった。最後にチェ尚宮と対峙したシーンの凛とした表情が今でも忘れられない。張りつめた怒りと女官の誇り、そして捨て身の懇願と無償の愛……。滂沱の涙を流しながらも美しいという女優もそうはいないだろう。家族みんなで観てたから我慢したけれど、一人だったらたぶん号泣してた。