読了本

尻尾のある星座

尻尾のある星座

ひょんなことから初老の夫婦のもとにやってきたラブラドールの仔犬。姿は愛らしく性格も良いのだが、動くと“地獄の番犬”と化すユーリィを相手に著者の犬育て奮戦記は続く。ユーモアとペーソスあふれる文章が心地よい。ラブを飼うのがこうも大変とは。先代犬ハスキーのルビィにまつわるエピソードは涙なくしては読めなかった。犬を愛するということは、自分より確実に寿命の短い生き物と暮らしている現実といつも向き合わなくてはならないということだ。表紙の絵は本編でも紹介された鴨居洋子のもの。むく犬かわいい。

快傑ムーンはご機嫌ななめ (扶桑社ミステリー)

快傑ムーンはご機嫌ななめ (扶桑社ミステリー)

けちんぼフレッドを探せ! (扶桑社ミステリー)」と「わしの息子はろくでなし (扶桑社ミステリー)」は普通に面白かったんだけど、この巻は最高にぶっとんでてテンポも良くて楽しかった。泥レス・バトルロイヤルのシーンは今思い出しても笑ってしまう。ルーラ暴走しちゃうし。デクーチが探していたものの顛末も、滑稽さとスリルとがいい感じに混ざり合ってて読み応えがあった。しかしステフがレンジャーにときめきはじめたのがなんだかな。そりゃモレリとは好対照のいい男かもしれないが、彼には導師のままで踏みとどまっていてほしい。と思っていたのだけど。

やっつけ仕事で八方ふさがり (扶桑社ミステリー)

やっつけ仕事で八方ふさがり (扶桑社ミステリー)

えー、えー、えー、えー! そーなるか。でも思ったより淡白というか、盛り上がらなかったというか。これなら現状維持のほうがよかったような……。原著タイトルが「ハード」なだけにストーリーも普段よりシリアス度3割増しだ。ラミレス以来のクレイジーなやつを相手にステフは苦戦を強いられる。それにしてもモレリとの仲が冷え気味だと淋しいなあ。湖のほとりでの一幕には大笑いしたけど。ダメ犬ボブの登場で下ネタにも幅がでてきたな。