週末のテレビ

義経」第46回「しずやしず」。
放送以来はじめて、静なかなかイイじゃないと思った。鎌倉方を睨み付ける目の鬼気迫る感じ。呪われそうな三白眼。まるで天野喜孝の描く美女みたいでぞくぞくした。赤児を奪われて狂乱したり、舞の準備をまともにできるのかと皮肉ったり、政子にも凄みで負けてなかった。静が没個性な手弱女じゃなくて最初からこういう癖のあるキャラだったらもっと面白いドラマになってたように思う。義経が夢ばっかりみてる主体性のないいい子ちゃんなだけに。吹替えの歌声がやたら素敵だった。紅葉は散りすぎ。
磯禅師を「新しき国」に誘う義経、この人のいう国ってどうやら国民はいないらしい。「皆が幸せに暮らせる」の皆ってのも自分の家族というほどの意味なのだろう。だから民を率いる責任感もなけりゃ、国づくりのビジョンも持ってないんだな。一人くらいシビアな目でみる郎党がいたっていいのに、といつも思う。忠信は結局犬死にさせるのか。せめて空籠じゃなかったらなあ。あと朱雀の翁のでまかせにあっさり乗せられちゃう警護の者たちってどうなの。ふつう怪しい爺だと身柄を拘束するくらいしないか?
頼朝の「弟ゆえじゃ」は結局何がいいたいのか。冷笑しながらとか苦悩をにじませてとかで意味合いも変わってくるけれど、中井さんの演技はどっちつかずだし、このドラマの頼朝像って連続性がないから判断できない。あと歌の意味を政子が解説するのは変。それこそお徳ナレで説明させたらよかったのに。今回もいらんところでナレーション入って雰囲気壊していた。静の涙雨か、なんて演歌の前フリじゃないんだから……。