読了本・コミックス

tsunamix(2) (KC KISS)

tsunamix(2) (KC KISS)

初期作品からごく最近のものまでを集めた短編集。「少年人魚」は読んだことあるなと思ったら実は現在絶版『Kissの事情』に収録されていたもの。『回転銀河4』収録「クエーサー」に繋がる話ということで今回再録のはこびとなったそうな。あわせて読むと余韻からして違ってくるものな。となると単発作品としては「2番目に好きなひと」がいちばんいい出来か。オチも決まってるし。「チャンスをちょうだい」「プールサイドの人魚姫」は10年以上前の作品。ああ、まさしくド少女漫画。この頃から海野さんに注目してた人はすごい目利きだ、と正直思った。「十二夜」は屋敷があまりにも可哀想。そりゃないぜ。屋敷くん救済の話も描いてほしい……。

回転銀河(4) (KC KISS)

回転銀河(4) (KC KISS)

しょーがない、「雨」読んじゃったらもう天野兄弟を悪くいえない。それ以前の天野兄弟のことはどーでもよかったので賢と優を特に区別してなかったが、環をドラマちゃんと読んでるのはどっちだ? 優のほうなら環がいつか彼の“心を許せる相手”になったりとか……しないかな、無理かな。タカと環のエピソードはこの巻の唯一の清涼剤だ。「百花繚蘭」も「クエーサー」も読んですぐには心のざわめきが静まらないような話で、確かにハッピーエンドとはいいがたい。が、だからこそ読者の共感を呼ぶのだろう。作者の「現実って、誰でも少し幸せで、誰でも少し不幸だと思うのです」というコメントに、ほんとに真摯なひとだなあと思った。


海野さんのブログによれば新連載は時代物だそうだ。楽しみー。
海野つなみ*Information
http://blogs.dion.ne.jp/0809_umino_273/