読了本・コミックス

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))

メロディ本誌も(載ってるときだけ)買ってるが、コミックスでまとめて読めるのはやっぱりいいな。美男三千人とうたわれていても実際には八百名にも満たないといった細かい設定や、公儀お庭番がしれっと呉服の間に混ざっていたりする伏線なども再確認。
正直にいえば、男女逆転大奥という設定にしたのはBL作家だからだと思っていた。水野編だけなら「そういう設定なのだ」で済んだけれど、作中人物の吉宗がその設定自体に疑問を抱いてしまった今、この世界のなりたちについて解き明かされずには終わるまい。人口比率が逆転したからといってなぜ男女の役割分担までもが逆転したのか? 社会的優位が人数の多い少ないで本当に決まるものだろうか。女が多いのなら一夫多妻制になればよい。大奥などはその最たる制度だ。多くの女の上に男が君臨する、それはある意味社会の縮図、あるいは象徴だった。だがこの世界では男女のメンタリティはそのままに、社会的な立場の認識だけが入れ替わったのだ。いったいどうやって?
男が何の反発もなく権威を手放すとも思えない。跡継ぎの男子がなくても、中継ぎの女子を立てて辛抱強く待てばそのうち生まれよう。だが国のトップまでがあっさり女系に入れ替わったのには特別な理由があるはずだ。なのにその理由はもはや忘れられている。地位のある女は何のために男名前を名乗るのか、ということすら分からない。男子が社会を動かしていた時代の記憶が断絶しているのである。武家社会だからこそスムーズにシステムが移行したとの説明には何か裏がありそうだ。春日の局の時代に「何か」が起こった……。その謎は今後描かれて行くのだろうけれど、どんな力技で読者をねじ伏せてくれるのか楽しみでならない。
応募者全員サービスのドラマCD、キャストは堀内賢雄さんしかぴんとこないな(古い知識しかないから)。賢雄さん割と好きだから応募しようかねえ。

拝み屋横丁顛末記 (5) (ZERO-SUM COMICS)

拝み屋横丁顛末記 (5) (ZERO-SUM COMICS)

快調に飛ばしている。受験生受難編、めっちゃ笑った。エンジェルはまったく悪いやっちゃなー。落語家孝行編は本編も面白かったが古典落語「二十四孝」にも興味をそそられた。この作品もCDドラマ化するそうだ。帯の文句「キャスト平均年齢“激高”!」がツボにはまった。調べてみると平均値を吊り上げているのは当然ながら三爺で、彼らだけなら平均年齢は60を軽く超える。すげー聴いてみたい。ちなみに最長老は北見役の北村弘一さんで1931年生まれ。古希越えで現役とは素晴らしい。