もののけを出す不思議な力を持つみなしご少女と、親代わりの退魔師青年のラブストーリー……になるのかと思いきや、青年はいきなり行方不明になってしまって、入れ替わりに出てきた謎の大妖?「おじゃる様」が大活躍する伝奇アクションに変貌。ひかわさんの歳の差
カップル久々だー、と思ったのにな。でもおじゃる様のお公家なリアクションが楽しいから満足。本家「
柳生一族の陰謀」の烏丸少将も観て見たい。室町中期が舞台ということなのでちょっと毛色の変わった時代ものが楽しめそう。
妖怪ものが百花撩乱である。勝負に敗れた妖怪を拘束するというパターンの話はそれこそ枚挙にいとまがないけれど、描き手によってさまざまな風合いが味わえるのが嬉しい。主人公の祖母・
夏目レイコの妖怪に対する振舞いは強引かつ一方的、名を取り上げては「友人帳」に綴じ込むという、神をも畏れず命すらかえりみない悪ふざけを繰り返していた。だがレイコが友人帳を作ろうとするまでにはどれほどの淋しさを経験し、どれほどの恐れを克服したのだろうか、と思うとかなり切ない。あと
ニャンコ先生可愛い。
物語はいよいよクライマックスへ突入しようとしている。最終巻は来春に出るそうだ。コミックスで細切れに読んでいることもあり、山のように積みあがった謎を咀嚼しきれていないのだが、1巻から読み返しても把握できるか心もとない。なんでレメクが九郎と同じ顔? 確か髭のロマンスグレーじゃなかったか? 室井の種馬扱いは衝撃だった。レメクは何がしたいのか、そして他の不死人たちは何がしたいのか? 何だか妙に執着心のないやつらだからなあ……その点、鉄三は分かりやすい。
執念深く古本屋をまわっていると思わぬ拾い物があるものだ。サラさんて昔からテイスト変わらないんだな(この頃ちょっと線が太い)。『
大阪豆ゴハン』と『
誰も寝てはならぬ』の原点というか元ネタというか、内容にはけっこう既視感がある。このヘンな人々って実は限りなくノンフィクションで、サラさんの身近にいたりするのだろうか? 「大学漫画」に掲載された対談を読んだ限りでは実体験の凝縮らしい。かなりのページを割いて楽しそうに語っているラリーねたも分からないなりに面白い。気楽に読み流してしまってはいるが。