お笑いに心理学をからめた異色青春グラフィティ。デビューコミックスとは思えない読みやすさと読み応えに好感度大。
アフタヌーンで連載再開しないかな。お笑い芸人が主人公の漫画というと他に「ゆうてる場合か!」とか「ハイテンション・コンジャラーズ」などを思い出す。岸辺と笑太のコンビ、ルックスでは完全に負けてるけど、ネタのキレでは勝ってるんじゃないかな? とくに墓場漫才にウケた。
短編集。基本はリリカルでほのぼのな作風(今回は多少
ボーイズラブ風味も加わる)だが、どこかに鋭い棘を隠し持った話がひそんでいて、かならず打ちのめされてしまう。それが今回は冒頭の表題作だった……油断していたのでショックも倍増。せめてコミカルな沢渡くんシリーズと司くんシリーズの間に挟んでおいてくれたら……。「天使も踏むを恐れるところ」が全編麗しくて眼福。
大正時代の東京が舞台の探偵活劇。一族のはみだしものらしい探偵事務所の所長と、チャペックが書くところの“ロボット”みたいな経歴不明の美少女助手が帝都の謎に挑む。レトロな味わいもよいが「鳴動スル洋館」や「遠来の客」に描かれる世情のきな臭さも捨てがたい魅力である。真夜くんの過去は気になるが、眼帯も渋い用心棒犬・月等さえ出続けてくれればそれだけで満足。