読了本

南総里見八犬伝〈1〉妖刀村雨丸

南総里見八犬伝〈1〉妖刀村雨丸

馬琴の原典に手をつける前の足慣らしとして。全4巻。児童向けながら良くまとまっている、との評判どおり文章は歯切れよく読みやすく、また山本タカトの美麗なイラストがたくさん入っているのも楽しい。ティーンの頃に愛読してた鎌田敏夫の『新・里見八犬伝』とはずいぶん展開が違うもんだな……。鎌田版八犬伝てのはかなりエロいんだけど、ラブストーリーとしても結構よかったのだ。薬師丸ひろ子の映画版よりも数倍面白いと思っていた当時の私。
八犬伝はタッキー主演で正月ドラマにもなるらしい。犬田小文吾役が照英というのがイメージぴったりで嬉しいな。気は優しくて力持ちな(鎌田版の)小文吾が大好きだったので。それにしても玉梓役に菅野美穂を持ってくるとはすごいキャスティングだ。
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/f-et-tp0-050916-0007.html

QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)

QED ~ventus~ 熊野の残照 (講談社ノベルス)

タタルの話はいつものごとく説得力ないな、言葉遊びの域を出ないもんなと多少げんなりしつつ読んでいく。と、終盤に到ってなかなか面白い説がとびだし、ミステリ的にも意外なトリックをかましてくれたりしたので結構楽しめた。しかし後味はよくない。いくらフィクションとはいえこのオチ、実際に熊野に住んでる人にとってはたまったもんじゃないのでは? ○夜というより強○だし……○○が相手というよりそっちのほうが問題のような。それにそーいう権利はやはりキリスト教圏ならではの発想で、日本の風土になじむとも思えないのだが。