読了本・コミックス

百日紅 (上) (ちくま文庫)

百日紅 (上) (ちくま文庫)

百日紅 (下) (ちくま文庫)

百日紅 (下) (ちくま文庫)

新刊として買ったきり、うっかり本棚にしまいっぱなしにしているうちにヒナコさんは江戸へお帰りになってしまった。合掌。
江戸の絵師たちをめぐるドラマを描いたこの作品、何と言っても葛飾北斎の娘お栄ちゃんがかっこいい。美人ではないのだけど男前な性格で父ゆずりの才能も豊か。だがお年頃なので心境はいろいろと複雑だ。ホウキで走屍を退治するほど度胸がすわっているかと思えば、色気のなさに凹んで蔭間茶屋に行ってしまったりする。かわいい。
いつの時代も創作の世界にはパクリ、トレースがつきものらしい。あの超ビッグネームの歌麿ですら人まねをしていた時期があったようだが、初五郎兄さんに「はじめァまねでも しまいにゃひとから まねされるようになりゃ かまわねえ」と、サラッと言ってのけさせたのがすごいと思った。余人にはちょっと書けないセリフだ。

リトル・フォレスト(2) (ワイドKC)

リトル・フォレスト(2) (ワイドKC)

この土地が好きだから住みつく、暮らせるスキルもある……ではダメで、自分にその資格があるのか? と胸に問うてOKと言えないなら出て行くという姿勢にちょっとびっくりした。でもいち子は意外に早く帰ってきたようで。いい伴侶とめぐり合えたのかな? 小森に定住してもいいと思えるような。生地につぶしたじゃがいもが入った「パン・ア・ラ・ポム・ド・テール」、いち子母のレシピは永遠に秘密なのか、残念。うりゃーと生えるタラの芽に笑った。

連続恋愛劇場 (ダイヤモンドコミックス)

連続恋愛劇場 (ダイヤモンドコミックス)

ひゃあ、かわいいなあ。女子高生の恋愛を描いたちょっと大人向けの短編集。掲載誌のカラーかエロ度はけっこう高めだが実用度はそんなに高くない。カラダよりもココロの動きのほうにシンクロして読んじゃうからね。女の子はみんな可愛いけど男の子は「金子さんの好きな顔」のハンサム先輩がツボだ。カバーイラストにもなっている小仏とまりのシリーズはもっと読みたい。まりさんいい子だなあ……としみじみ。表紙の小仏はずいぶん若くみえるのでしばらく本編の老け顔と結びつかなかった。