読了本

肩のこらない軽めの文章とコミカルなノリでとても楽しく読めた。脇役までキャラが立ってて面白かったから続編も読もうっと。主人公の同心文之介が近所の悪ガキたちに遊ばれるシーンやしっかりものの中間勇七の女の趣味には思わず笑った。あと出てくる食べ物が妙に美味そうだ。お春がおじさまを慕う理由や吝嗇な上司又兵衛の夢、仇と付け狙う浪人の正体などは続編で明らかになるのだろうか? この作者は『義元謀殺』などのシリアスものも書いているみたいだけど、どんな感じなんだろう。

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF

タフの方舟1 禍つ星 ハヤカワ文庫SF

これも肩の凝らないSFで面白かった。主人公はハヴィランド・タフという名のいっぷう変わった宇宙商人。デカい図体に無表情、慇懃無礼なほど丁寧な口調と態度、そして猫をことのほか愛する“ヘンなおじさん”があこぎに儲ける、もとい鮮やかに窮地を脱しトラブルを解決する痛快アクション。これでもかと盛り込まれた奇怪な怪物たちが大暴れするのも爽快だ。スプラッタ寸前だけど。マッシュルームのとこではちょっと泣いた……。長編ではなく短編・中編の連作なところも読みやすく飽きない。前から気になってた同じ作者の《氷と炎の歌》シリーズは手ごわい印象で手が出せなかったが、これなら読めそうかな?