及川さんの描く凛とした女性が好きだ。とくに千鶴の守護霊となったおばあさま。心の闇を膨張させそうになった千鶴父の悪いモノを吹き散らすシーンはよかった。こういう凄みのあるシーンがたびたび出てくるからたまらない。千鶴と紫紅の関係が徐々に変化してきたことで物語もずいぶん面白くなってきたが、絵柄と同様、彼らの心の推移も丁寧に描いていってくれることを期待している。凛とした女性といえば「仮初めの、」に出てくる家主の万葉姐さんもよかった。
笑いを交えて淡々と描いてあるけど、ふといたたまれなくなる。失踪中のエピソードよりも
アルコール中毒で強制入院の日々のほうがいたたまれない。
自助グループの司会が「わけのわからないことを語る」というのが分からなかったのだが、カ
バー裏のシークレットおまけインタビューを読んで納得。しかしこんなに裏のことまで漫画にしちゃってだいじょぶなのか。吾妻さんといえば「オリンポスのポロン」くらいしか知らない私は漫画家生活回想編のとこで目が点になった。