<クロニクル 千古の闇>第一巻。全六巻のシリーズで原著は第2巻まで刊行中だそうだ。紀元前4000年のヨーロッパ北西部を舞台にした壮大なファンタ
ジー。空気に満ちる精霊の気配と血の匂いに戦慄を覚える。主人公の少年ト
ラクは幼いながらも狩人として父に良く仕込まれておりけっこう頼もしいのだが、よく背後への用心を忘れては災難に遭う。次巻では同じパターンじゃないといいな。次に旅立つ日までフィン=ケディンに鍛えられるのだろうか? あんまり内面の葛藤がないト
ラクよりも心の綾をみせてくれるレンのほうがキャラとしては面白い。女の子は男の子より早熟だしね。でもラストシーンには涙腺がゆるんだ。子オオカミのウルフがト
ラクのことを<背高尻尾なしの兄貴>と呼ぶのはとても可愛かったので……。