<忌部神奈・女の神話シリーズ>。この人の古代伝奇ものはけっこう好きで、宗像教授シリーズも楽しく読んでいた。ダンディなおじさまだった宗像教授とはうってかわって今回の主人公は行動派の美女。お色気もたっぷりだ。表題作は
奈良県桜井市にある
三輪山の“
カムナビ”の謎が紀元前の
パレスティナまで繋がっていくとてもスケールのでかい話。オチには感心させられた。
ケルトの白馬の謎の答えを日本で探す「太陽の馬」、古代日本に住んでいたペルシア系渡来人の謎を追う「沈黙の羊」などの回も面白かった。
水乞いの儀式と不思議の民が登場する『岸辺の唄』の続編。世界観が作りこまれてきたせいか、何だかとても面白く感じた。絵にも艶がある。もともとこういう東洋風のファンタ
ジーは好きなのだ。ちょっと前の今さんの作品は話の繋がりに
ミッシングリンクがあるようでちょっと読みにくい、分かりにくいと思った時期があったのだけど、最近はそういう印象を受けることはなく丁寧に話が作られてると思う。
神坂智子の中期
シルクロードシリーズを思い出させるドラマティックな幻想譚。とくに「西から来た箱」が秀逸だった。