読了本

新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一) (講談社文庫)
『新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一)』藤沢周平講談社文庫、2002)。
全4巻のシリーズ、新装版。こないだ読み終わったばかりだけれど面白かったのでまた最初から読んでいる。主人公の登(のぼる)青年は医者見習い、勉学のために身を寄せている江戸の親戚宅でこき使われる毎日だ。もとは叔父の仕事であった小伝馬町の牢医者を勤めるかたわら、柔術の道場にかよって稽古にもいそしんでいる。持ち前の好奇心と思いやり深さから悩める囚人や密かな悪事を見過ごせず、おのずと捕物の手伝いもするようになった。登はやわらの達人なので悪漢と対峙するシーンもいっぷう変わっていて燃える。なんたって剣で向かってくる相手の懐に飛び込んで一本背負いをくらわすんだから。かっこいいね。チャンバラものと人情もののオイシイとこだけミックスしたような面白さの連作短編集。タイトル硬くてちょっと損している気がする。