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キス、絶交、キス ボクらの場合 10 (10) (フラワーコミックス)
『キス、絶交、キス ボクらの場合 全10巻』藤原よしこ(小学館少コミCheese!フラワーコミックス、2002-2005)。
ISBN:4091371663 ISBN:4091371671 ISBN:409137168X ISBN:4091371698 ISBN:4091371701 ISBN:4091384919 ISBN:4091384927 ISBN:4091384935 ISBN:4091384943 ISBN:4091384951
5年におよぶ絶交状態を経て、中学校卒業式の日に晴れて恋人同士となった真緒と羽鳥。通う高校は違っても相思相愛……のはずなのに相変わらずすれ違いを繰り返しては諍いばかり。もういっそ真緒は布施と、羽鳥はリカ先輩とくっつけば誰も泣いたりケンカしたりすることもなく、しかも絶対お似合いなんだがなあ。しかしそこは作者の都合、もとい儘ならぬのが恋愛の常かつ醍醐味でもあるわけで。かくしてケンカしては仲直りがひたすら続くのであった。しかもお二人さんは避妊……って知ってるの……かな?
最後の一年は駆け足になっちゃって、しかも空疎な印象で終わってしまった。説得力のないハッピーエンドに思えた。ああいう恋愛が卒業後も続くとなったらさすがにリアリティがなくなる。互いの気持ちを信じあい自信を持つことはもちろん大事だけど、それで「どこまでも行ける」わけはない。羽鳥はさあ、真緒と一緒の大学にいくために勉強頑張ったけどダメだったぜ、ってそーじゃないだろぉ。手に職つけて真緒をきちんと養えるように貯金するぜとか、もっと地に足つけて将来を考えてほしかったよ。ムードだいなしになるかもしれんけど……。
3巻に収録の短編「恋の病にドロップ3錠」が可愛くていい。あと10巻でブラック布施を戒めた佐野ちあき視点の「ちあきの場合」が読みたかった。真緒と羽鳥はこれ以上の発展はなさそうだけど、布施とちあきならキャンパスでの恋愛も想像できるし。そんで真緒たちの近況もちょろっと紹介したりして(たぶん始終ケンカしては仲良くなっているのであろう)。いいひと止まりでいいとこなしのタケシがカワイソ。とうとう彼女もできんかったなあ。