読了本・どいこい

どいつもこいつも 1 (ジェッツコミックス)
どいつもこいつも 2 (ジェッツコミックス)
どいつもこいつも 3 (ジェッツコミックス)

『どいつもこいつも ワイド版 全3巻』雁須磨子白泉社、2005)。
ネット書店で買ったら1巻に帯ついてなかった……がっくし。第3巻のコミックス未収録ぶんが10話もあったのは驚いた。続きをお蔵入りにしたのがどういう大人の事情だったのか知らないけど、出版社はなんともったいないことを。何はともあれ読めて嬉しかったのが“乙犬レンジャー試験編”。じえーたいっていったいぜんたい……。で、ほんとに蛇を食べるの? 既読ぶんもすごく面白かった。朱野はドジっ子からどんどんしたたかになっていくし、乙犬は振り回されながらも自分を見失わないでがんばるし。かわいいカップルという印象はあったけど、ああいう人間関係のドロドロとはまったく無縁の爽やかな終わり方(いや二人の仲が終わったわけじゃないが)はちょっと珍しくていい。エステーバンやヤー・チャイカなどの教養がさりげに織り込まれているとこもいい。漫画の登場人物が文学作品について語ると読みたくなるよね……と言ってもアッシュが好きだったヘミングウェイキリマンジャロの雪』を数ページで挫折した私がガルシア・マルケス『美しい水死人』を読破できるとも思えないのだが。