読了本

用心棒日月抄 (新潮文庫) 腕におぼえあり DVD-BOX
『用心棒日月抄』藤沢周平新潮文庫、1981)。
シリーズ第一作目。藩内のゴタゴタに巻き込まれて脱藩し江戸へと逃れた青江又八郎。用心棒稼業で糊口をしのぎつつ国元からの刺客を待つ暮らしだ。そこへ吉良を討とうとする赤穂浪士の思惑がからみ……。単品でも楽しめるけど赤穂浪士について知識があればより面白いはず。「夜鷹斬り」に出てくる可憐な夜鷹おさきが忘れがたい。「腕におぼえあり」というタイトルで以前ドラマ化したときも毎回楽しみに観ていた。村上弘明黒木瞳、みな役にハマっていてとても面白かった。DVD-BOXが出てるんだよね〜。欲しいなあ〜。

日暮らし 上
『日暮らし 上』宮部みゆき講談社、2004)。
『ぼんくら』の続編。前作はとても面白かった記憶はあるのに細かい部分をすっかり忘れちゃってる……これ読み終わったら再読しよう。しかし美味しそうな食べ物がたくさん出てくる話だなあ! お徳謹製の仕出し弁当でもてなされた佐伯さまが羨ましい。美少年というふれこみの弓之助のルックスを想像するのが難しいのだが(おでこもだ)、水飴をほおばりながらの「わらくしはころもでございまふから」は可愛かった。平四郎の跡をついだら犯罪者をもたらしこむ異能の同心になるんだろうか。江戸時代のストーカーが出てくる「子盗り鬼」はかなり背筋が寒くなる話。解決までの趣向は京極さんの『巷説百物語』の影響がちょっとあるのかな?