読了本

フラワーガーデン (バーズコミックス・ガールズコレクション) 松本清張傑作短篇コレクション〈上〉 (文春文庫)
松本清張傑作短篇コレクション〈上〉』松本清張宮部みゆき責任編集(文春文庫、2004)。
古代史ものしか読んだことのない偏った読者にとっては、こういうかたちで出し直してくれるととっても手に取りやすい。宮部みゆきの熱心な前口上も楽しい。「ある『小倉日記』伝」「削除の復元」のような文学研究ものはもとから好きだが、いちばん面白かったのは「理外の理」。玄堂みたいなのは今だったらけっこう読者がつくと思うんだけど……少なくとも私は読みたい。オチには鳥肌が立った。「真贋の森」も面白かった。でもノンフィクション作品はどうしても目がすべってしまう。もともと昭和史は苦手なので、申し訳ないがパスさせてもらった。いつかちゃんと読みたい。

『フラワーガーデン』高野宮子幻冬舎バーズコミックス、2004)。
花の名前の三人姉妹(プラス弟一人)それぞれの恋模様を爽やかなタッチで描いた佳作。前作「小鳩邸異聞」はぴんとこなかったんだけど、これは割とよかった。高野作品はやっぱり女の子視点の話が好きだなあ。 「無頼猫」とか。とにかく長女の椿ちゃんがかわいい。それにしてもつみれは不意打ちだった。思わず吹いた。

何故だか知らないが毎日『おおきく振りかぶって』を読みかえしているのである。といっても読み込んでるわけじゃなくて、ヒマがあれば手にとって好きな場面とかをボーッと眺めてたり。なんなんだろなこの状態は。明日はアフタヌーン最新号が出るんだ。嬉しいな。はてなのキーワードを遡って感想を拾い読みしていたらびっくり。書店POP騒動なんてあったのか。BL的な読み方ができるなんて気づかなかったよ(気づいても嬉しくないが)。出版社と書店が共謀してこういうことを仕掛ける時代になったんだねえ、いやはや……。昨今ニュースを賑わすホリエモン騒動にも似たような匂いを感じる。おカネもうけに走ると人のココロはとかく置いてきぼりになるのだね。なんだか「夕鶴」を思い出してしまうな。