読了本・コミックス

おおきく振りかぶって (1) おおきく振りかぶって (2)
おおきく振りかぶって 1〜2』ひぐちアサ講談社アフタヌーンコミックス、2004)。
評判は聞いていたけど読んで驚いた。―ひぐちアサ何者ぞ―。面白そう! 面白い! 面白かった! と脳内ホルモンが出まくりだ。読むだけで集中力が鍛えられそう(理由は“読めばわかる”)。こんなに面白い高校野球マンガは初めて、いや『紀元2600年のプレイボール』『甲子園の空に笑え!』以来かな、と野球にはぜんぜん興味のない少女マンガ読みは感心したのである。まいった。急いで最新巻も買ってこなければ。
しかしここまで卑屈なマゾっ気ピッチャーも珍しい。泣き虫で自信がなくて、でも投げるのだけは大好きだからマウンドはぜったい讓らない。そしてキャッチャーは包容力のある慈母のような良妻のような定番キャラ……などではぜんっぜんなく、新撰組でいえば土方のような容赦のない参謀、クールな頭脳派だ。このふたりの異色バッテリーがこの先どう成長していくのかすっごく楽しみ。脇役たちもみんないいなあ。野球オタクの女監督がぞくぞくするところで私もぞくぞくしてしまう。無邪気な天才少年田島くんがお気に入り。可愛い女子マネージャーも出てくるのにラブコメ要素がまったくないのもいい。あと話には関係ないけど犬が出てくるのも個人的に嬉しかったり。

秘本義経記 ますらお 3 (小学館文庫)』『秘本義経記 ますらお 4 (小学館文庫)北崎拓小学館文庫、2005)。
奥州行き、元服、頼朝に参陣、木曽攻めと歴史的にもドラマ的にも面白い部分。孤独な天才・義経は人間としての器も大きく成長するが、幼少時代に育まれた根っこは意外に変わらないものだ。悪鬼のような凄まじさで人をおののかせたかと思えば、一瞬にして心をつかみ惚れこませる義経のカリスマ性がどうやって培われていったのか、丁寧に描いているところがよい。大河では平幹二郎が好演(怪演?)中の後白河院はこのマンガだとまだシルエットしか出てこない。気になる……。

魔法使いの娘 (2) (ウィングス・コミックス)那州雪絵新書館ウィングスコミックス、2005)。
魔法使い、この話ではイコール陰陽師なのだけど、パパさんの同業者には名実ともに魔法使い&魔女な方々もいるようだ。というより死神? ギャグ系なのかと思っていたが、そこそこシリアスな方向に話が進みそうな予感。ヒロインがさばさばした性格だから深刻にはならないけど。お爺さんの幽霊の話がいろんな意味で怖かった……。

アカシヤの星 1 (IKKI COMICS)』たくまる圭(小学館IKKIコミックス、2004)。
ひょんなことから無国籍タウン・アカシヤ商店街の幼稚園で働くことになったちゃらんぽらん青年の奮戦記。国際色豊かな園児たちとその親たちも複雑な事情をかかえているが、“日本にくらす外国人のいる日本に住んでいる日本人”はもっと複雑でやっかいな存在かもしれない。

ラヴァーズα (花とゆめCOMICS)桜井雪白泉社花とゆめコミックス、2004)。
この人の描く女の子がけっこう好きだ。表題作の京も可愛いけど、いちばんよかったのは「史上最悪のロマンス」の寿寿々(ことぶき・すず)かな。男の子視点の話より女の子視点の話がやっぱり自然でいい。「SLの女王さま」みたいな話はやっぱりマンガだなぁ〜って感じ。

螺子とランタン (角川コミックス・エース) ベルセルク (28) (Jets comics)
螺子とランタン桂明日香角川書店コミックス・エース、2004)。
女侯爵ニデルが愛らしいし割と雰囲気もあるので、ハルウララがどうとかの今風ギャグの多用が惜しまれる。まあ本人の意向をよそに二匹目のドジョウをねらった編集さんにむりやり英国ものにされたようだから仕方がないか。好きなもの、得意なものだけ描いてもいられないのが商業マンガの辛いところだ。

ベルセルク 28』三浦健太郎白泉社ジェッツコミックス、2005)。
またしても謎の新キャラが登場。印象的な目をした黒髪の幼児は例の“蛭子”と何か関係があるのだろうか? そしてキャスカはいつ自分を取り戻すのか? 相変わらず謎ばかりが増えていく。すぐに到着するのかと思ってたパックの故郷エルフヘルムにもなかなかたどり着かない。怪物は相変わらず襲ってくるし、満身創痍のガッツはそれまで保つのか?