読了本

五色の雲 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
『五色の雲』ロバート・ファン・ヒューリック/和邇桃子訳(ハヤカワポケットミステリ、2005)。
表題作にはじまり「小宝」でおわる短編集。ディー判事ものはこれまで長編ばかりだったけれど、本来ヒューリックは短編の名手と言われているそうな。ちょっとしたことから事件の鍵をつかんで謎を解決に導くディー判事のひらめきと手腕がみごと。罪には非情だが罪人には温情をもって裁くディー判事のキャラがいい。お茶好きなところとかね。どれも面白かったがチャオタイ・マーロン大活躍の「すりかえ」と、ディー判事が文官の意地と度胸を見せた「西沙の棺」がよかった。