読了本

Q&A 『Q&A』恩田陸幻冬舎、2004)。
書影で初めてみたけど恐ろしげな帯がついていたんだなあ。とある大型スーパーで起こった大惨事について、聞き手と語り手をどんどん取り替えていく問答型式で描いている。最初は群集心理と事件の謎に迫るようだったのが、次第に事件が関係者に及ぼした影響がサイコなタッチで描かれ、都市伝説や怪談ふうにも語られたかと思ったら、ついにはオカルト・スーパーナチュラル方面に。ひとつの素材をありとあらゆるホラー的手法を駆使して描くのが作者の狙いだったのかもしれない。しかし結局なにが人々をパニックに陥れたのだろうか。それがはっきり解明されてないのがいちばん怖い。舞台のモデルとおぼしき土地は地元といってもいいくらいなので、なんともイヤな感じも倍増である。ついこのあいだ実際にDで起こった大惨事も思い出される。消防士の話がなんだか妙に印象に残った。私もかなり心配症なほうなのでうっかり彼に共感していたらあのオチ……。ラストのぬいぐるみの件がちょっと腑に落ちない。先の記述と矛盾していないかな?