読了本

ぐるりのこと 『ぐるりのこと』梨木香歩(新潮社、2004)。
「考える人」に連載されたとても内省的なエッセイ。こういう文章を読むと身がひきしまる思いがする。自分の書き散らす駄文が恥ずかしくなってくる。ひとりよがり、決めつけ、狭い視野、思考の萎縮に気づかされて。彼女の綴るすべての言葉に賛同して追従するつもりはないが、ものごとを深く考えようとする姿勢は見習いたい。しかし自分の思いを表に出すことにはどうしても抵抗感がつきまとう。怖れているといってもいい。文章を書くということは覚悟を決めるということでもある。