読了本

QED 式の密室 (講談社ノベルス)
QED 式の密室』高田崇史講談社ノベルス、2002)。
テーマは陰陽師式神。相変わらずの論理の強引さと事件の単純さは気になるけれど、本書の中で語られるのが“式”の正体ならば世の中には不思議なことなどなにもなくなって、残るのはやたら即物的な人間の思惑ばかりになるのだなあ。個人的にはオカルトとしての式よりそっちの説明のほうがずっと説得力があるとは思う。でもロマンもへったくれもなくなるのがちょっと寂しい。ところで今年は晴明神社で祭神の没後一千年祭が開催されるそうだ。

 ・安倍晴明神社
  http://kodansha.cplaza.ne.jp/abeseimeijinja/

幻月楼奇譚 (1) (キャラコミックス)
『幻月楼奇譚』今市子徳間書店キャラコミックス、2004)。
味噌屋の若旦那といわくありげな幇間のオカルト探偵帖。ほんとはモーホーねたが入ってないほうがいいんだけど、編集部の意向と作者の好みならば仕方がない。年1回の連載なのだし、素材も面白いのだからもう少し腰を据えてじっくり描いてほしかった。あと架空の設定に逃げたことを後書きで公表しないでほしかったかも……。