原画展

あとり硅子原画展にまた行ってきたのだった。有休とって。もうこんな機会はないかもしれないから(あるかもしれない。あるといいな)。
最終日のせいか、平日昼間でもかなり混んでいた。ファイルを見るのにまたも並んで1時間以上かかる。「らぶらぶなシーンは恥ずかしいぜー!」とか「ついにワタクシはこんなイラストを! しばり有よー!」みたいなコメント付きのラフに思わず笑う。そういうシーンがあるBLの挿絵なんだねえ。タバコの焼け焦げがあったのは「黒男」のネームで……読んでてちょっと目がうるんでしまった。それにしてもネームの綺麗に描かれていることといったら。他のマンガ家さんのを見たことはないが、皆こんなに丁寧に描くものなのか。
「歌姫夜話」の失われた(?)最終ページを想像するが、思いつかない。「考えてもみろよ」。その後は何と続いたのだろう……。ふと展示点数を数えてみた。うわあ、間違いでなければ102点もあるぞ。ラフとネームはその倍以上の枚数があるはず。見ごたえがあるわけだよなあ。あとりさんはこれらのイラストやマンガを描いてるあいだ、すごく楽しかったんじゃないかと思う。じょじょに仕上がっていくのを見ながらわくわくしていたんじゃないかと思う。肉筆の原画を見ていると、作者だけが知っている“過程”の喜びをも感じ取れるような気がしてくるから不思議だ。
入り口に来場者が感想を書けるようスケッチブックが置かれている。私が10日に来た時は3冊あって最初の何ページかが使われているだけだった。今日は5冊に増えている。しかもびっしりページが埋まっており、余白を探すのにとても苦労した。白いままのページなどほとんどない。皆さん切々と今日の喜びと悲しみを訴えていらっしゃった。またホロッとくる。前回来た時はなんでもなかったのに、なぜか今回は涙腺が緩みがち。