読了本・コミックス

『雲竜奔馬 4〜5』みなもと太郎潮出版社、2000)。
試合のゆくえが気になっていつまでも旅立たない武市さんが笑いを誘う。竜馬が京にのぼり幕末の動乱に巻き込まれていく直前で終わっているが、続きは連載中の『風雲児たち 幕末編』で描かれるのかな。

風雲児たち 幕末編 1〜5』みなもと太郎リイド社、2002-2004)。
というわけで一気読み。リイド社版『風雲児たち』全20巻もすでに大人買い済みなのだけど、とりあえずこちらから。ところどころ読んだことのある場面が出てくるのは『雲竜奔馬』からの転載? 物語は驚きと発見の連続で、普通の歴史ものや学習まんがとは一線を画す面白さだ。黒船来航が庶民にとっては恐怖どころか娯楽と捉えられていたことや、水戸藩の“神国日本”の思想が戦前の軍部のそれと重なるというくだりなどが印象に残っている。華を添えているのが女産医を志すおイネさん。影の(?)ヒロインだ。吉村昭『ふぉん・しいほるとの娘』を読んだときも石井宗謙の所業には腸が煮えくり返ったものだが、“めらにん”のシーンには泣けた。

『バタフライ 2』相川有幻冬舎バーズコミックス、2004)。
心霊現象は信じていないけれど目の前に幽霊が出ればそりゃ怖い。死んだはずの子供が見えてしまう井上先生の怯えにシンクロして背筋が寒くなった。「饒舌な傷跡」の謎解きと畑山の“負い目”にもぎょっとさせられた。例の事件の真相を相川有はどう解き明かすのだろう。

『DARK EDGE ダーク・エッジ 12 迷宮ドミノ』相川有メディアワークス電撃コミックス、2004)。
白衣の天使・深谷先生の過去が明らかに。凄まじくどぎつい場面を涼しげに空気のように描く作風は相川有の強みだと思う。スプラッタ・ホラーが苦手な私のような読者をも取り込んでいるのだから。しかし継子をどうするつもりなんだ、伊勢っち!

7seeds セブンシーズ 5』田村由美小学館フラワーズコミックス、2004)。
諦めと倦怠に支配され、退廃と逃避が蔓延する秋のチーム。実際、こういう極限状態に陥ったとき団結して困難を乗り越えようとする方が特殊なんじゃないかと思ったりもする。生存率が高いのは果たしてどちらなのか。その実験のために様々な状況を想定していくつかのチームが作られたのだろうか……ガイドまでつけて? 冬が春と邂逅するのは感動的だったが、それによって新たな局面はひらけるのだろうか。それにしてもチーム=seedなのだとしたら、なぜ“7”なんだろう? 春、夏A、夏B、秋、冬のほかにもまだチームが? 私なにか読み落としてる?