ただいま読書中

『ふたりジャネット』テリー・ビッスン中村融編訳(河出書房新社 奇想コレクション)。
すごく面白い。“ウィルスン・ウー”シリーズ、何なんだこれは。登場するのはとっぴで不可思議なできごとをすべて超難解な数式で説明してしまうナゾの中国人(主人公では決してない)。「それでなにもかも説明がつく」……つくのかよ!と思わずツッこんでしまうが、ほんとうはつっこむところじゃないのかもしれない。分かる人にとっては『西洋骨董洋菓子店』のオーナーのケーキ解説のような笑いどころなのかも。意味が分からないながらも漢字ぶくみな数式に一番笑った。
ウー以外では「冥界飛行士」が壮絶だった。コニー・ウィリスの『航路』を思い起こしながら読んでいた。死後の世界を描いていること以外に共通点はないけれど。