読了本

鷹野鍼灸院の事件簿 謎に刺す鍼、心に点す灸/乾緑郎
シリーズ2作めも面白かった。緩和させてはならない痛み、などの医療ネタも興味深かったし。「坂道に立つ女」はなかなかのイヤミスだけど、短編としてはよくまとまっていて癖になる雰囲気。歴史ミステリの趣きもある「アイスマンの呼ぶ声」のマイトナー博士って、真性の……なんだよね(笑)? こういう患者いるんだよな、って業界あるあるだったらどうしよう。最後の話は医療ネタと社会ネタとの絡みが絶妙。カチューシャの旋律が脳裏によみがえって、ちょっと泣けた。

先生、イソギンチャクが腹痛を起こしています!  鳥取環境大学の森の人間動物行動学/小林朋道
シリーズ第10弾。今回は虫がちょっとキツかったが……まあこんなクモみたいなハエがコウモリと一緒にいるなんてビックリだわ。クマノミとイソギンチャクみたいに共生関係にあるのかなぁ? それとも寄生? Youtubeの“Guilty Dog”を分析した結果はぜひ知りたい。トチノキとヤギのエピソードもよかった。