読了本

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散 (講談社ノベルス)

虹の歯ブラシ 上木らいち発散/早坂吝
エロねた上等、援交美少女探偵らいち再び見参。この作者、きわどい色物ばっかり書いてるようで、しっかりミステリしてるから面白い。今回は連作短編集の趣きで、らいち視点もあった。らいち、サバサバしてるから何やっててもあんまりエロくないんだよな。いかにもな太字とか、どんな仕掛けなんだろうと楽しみにしながら読んでたら、「橙」あたりからどんどん変になっていって、「赤」には笑いながらも感心してしまった。バカミスすれすれ。いいぞもっとやれ。

江ノ島西浦写真館

江ノ島西浦写真館

江ノ島西浦写真館/三上延
あれ、『谷中レトロカメラ店の謎日和』に続いて、また写真にまつわる物語を読んでしまった。のだけど、こちらはまたずいぶんとビター。三上さん、神経を逆なでするような、ザラッとした感触のエピソード書くのうまいよね。富士子が「ここはそういう場所なんだ」と言った意味が説明されるのかと思ったけど特になかったな……秋孝との関係も保留だし、なんとなくぼやーんとしてて物足りない感じ。どうせなら最後の2行あたりも削って、すべて読者には見せないことにしてしまってもよかったような(そしたら物足りないどころか気になって悶え苦しんだろう)。続編が出るのかな?