読了本

一路(上)

一路(上)

一路(上)/浅田次郎
ホームのはずがアウェーに追い込まれた青年の起死回生劇。ゼロどころかマイナスから始まるんだけど、次から次へと救いの手が差し伸べられる。最初はワクワクしたものの、ここまでくるとラッキーすぎてファンタジーだな、とか思っていたらそれには理由が……。まあ、まだどう転がるか分からないけれど、基本コメディをまぶした歴史物なのかな。『壬生義士伝』みたいなのほどシリアスにはならない気はするが、時代が時代だからなぁ。

アナザー修学旅行

アナザー修学旅行

アナザー修学旅行/有沢佳映
面白いのに寡作な作家さん。『かさねちゃんにきいてみな』の後、出てないよね? たまに新刊出てないか検索したりしてるんですが……。さまざまな事情で修学旅行に行けなかった中学生6人+αが、いろいろあって仲良くなる。主人公は最後に「私たちは今も、たぶん、友達じゃない」というけど、しじゅう一緒に行動してる人だけが友達って訳でもないよね。って大人になった今なら思うけど、中学生の頃なら確かに友達の定義からはみだしてたかな。友達っていうか「仲間」のほうがしっくりくるかな。気持ちは通じている、という意味で。

わんぱく天国 (講談社文庫)

わんぱく天国 (講談社文庫)

わんぱく天国/佐藤さとる著、村上勉
文庫復刻版。まだ「戦争ごっこ」が子どもたちのどかな遊びだったころの少年たちの日々を描いた自伝的作品。でも登場人物にモデルがいたりはしないそうだ。つまりはこれが当時の普遍的な子どもたちの姿なのだろう。興味と流行がクルクル変わっていくのや、夏休みに「やらなければいけない」遊びが山積みだったりするあたりがリアル。