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うそつき、うそつき

うそつき、うそつき

うそつき、うそつき/清水杜氏
第5回アガサ・クリスティー賞受賞作。嘘をつくと赤く光る首輪の装着を義務づけられている架空世界が舞台で、SF的な設定だけどそこまでかっちりした作りではなく、ミステリとしても広義のもの。歪んだ管理社会に対する少年の抵抗は、時には青くて時に切ない。文章がきれいだから読みやすいけど、フラノの若さをしょっぱく思えてしまうのは私が年を取った証拠かも。死のリスクを負ってでも、人は本心を隠したい。最も共感できたのはマミで、最も分からなかったのはサクラノだな。彼女たちの心境を今もまだ考え続けている。