読了本

王とサーカス

王とサーカス

王とサーカス/米澤穂信
海外を舞台にした社会派ミステリ。ネパール王族殺害事件という実際にあった事件に直面したひとりの女性が、報道記者としての立ち位置を見定めるまでを描く。米澤作品は『さよなら妖精』だけ未読だが、共通する登場人物がいるだけで続編というわけではないらしい。端正で緻密な雰囲気は、ちょっと北村薫に通じるものがある気がする。もっと冷めたものが底にある感じはするけど。社会にいるかぎり、人は互いを消費しあって生きていくんだなぁ。それが嫌なら孤立するか、なるべく不本意な消費がないよう気をつけるしかない、のかな。