読了本

ごんたくれ

ごんたくれ

ごんたくれ/西條奈加
応挙、大雅、若冲などが活躍する京の画壇において、自らの画風を確立するためもがき続けるふたりの絵師の姿を描く。読みごたえがあった。芸術家の人生は苦悩の連続、順風満帆にいかないのが当たり前とはいえ……。終盤ちかくでズドンと突き落されるが、読後感は悪くない。胡雪と筝白はどうみても芦雪と蕭白では? と首をひねりつつ読んだが、あくまでモデルってことみたいね。だからこそ歴史小説にならずギリギリ時代小説としてののびやかさを保っているのだろう。史実に沿ってたらこの見事なオチは持ってこられないしなぁ。