読了本
- 作者: 上田早夕里
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/04/09
- メディア: 文庫
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シリーズ2作目。妖怪から見れば冷酷かつ無慈悲な悪人だが、なぜか人間目線だと爽やかヒーロー感ハンパない拝み屋・播磨遼太郎。彼の本当の顔は……? だんだん話が壮大になってきて続きが楽しみ! 妖怪楼閣のくだりがとくに楽しかった。忌島さん、あんた男だよ。にしても“ぶよ丸”にはついついウルッと来てしまった。百目の過去とか、心配する大島とか、SFっぽい硬質さのなかにこういう抒情が混じってくると弱い……。
有名な「百鬼夜行絵巻」に新たなバージョンが発見された、と妖怪好きの話題をさらった百鬼夜行絵巻の謎 <ヴィジュアル版> (集英社新書)が出たのって2008年なんだねえ。もうそんなになるのか。「百鬼ノ図」の結末が本作のネタ元にもなってて思わずニヤリ。〈濁〉のイメージは真珠庵本の結末との合わせ技なのかな。よくみたら表紙で百目の隣で酒飲んでるのって例のキュートな“赤い妖怪”じゃないですかやだー。本文には登場してないよね?