読了本

なぞとき紙芝居 (角川ホラー文庫)

なぞとき紙芝居 (角川ホラー文庫)

なぞとき紙芝居/中村ふみ
もっとなんちゃって感のあるホラーかと思いきや、けっこう面白くて得した気分。子どもにトラウマ植え付けまくる恐怖の紙芝居や、おしおき肝試しのようなコミカルなシーンも多い割に、怖いところはちゃんと怖くて、祖母とねえやとブリキの馬車など思わず泣かされる場面もあったりして。ちょっと腐要素もあるものの、ギャグに徹しているので気にならない。続きがありそうな終わり方なので楽しみ。

辻占侍 左京之介控 (光文社時代小説文庫)

辻占侍 左京之介控 (光文社時代小説文庫)

辻占侍 左京之介控/藤堂房良
なかなか面白かった。やや文章が硬いけどキャラ造形がいいし、このくらいさっぱりしてるほうが好み。展開もサクサク進むわりに捕物帳らしい引きがあって読みごたえじゅうぶん。巳之吉親分が出てきてからが楽しかったが、今後も主人公との恋愛展開はなしにしてほしいな。対等な関係なところがいいんだもの。モブまでキャラの肉付けがうまいのは人相見でざっと説明できるからかも。作者は料理が趣味だそうで、それが作中に活かされてるところも好ましい。

狐嫁の列 素浪人半四郎百鬼夜行(零) (講談社文庫)

狐嫁の列 素浪人半四郎百鬼夜行(零) (講談社文庫)

狐嫁の列 素浪人半四郎百鬼夜行 零/芝村凉也
「零」って(笑)。Episode.0ってことか。時代もので初めて見たなこういうの。少年・神之木四郎がいかにして浪人・榊半四郎になったかという前日譚なのだが、主人公に透明感がある……というか、彼岸に片足つっこんでるというか、蟲師で言ったらギンコみたいな感じがなかなか面白かった。このシリーズ、1巻はよかったけどその後がいまひとつパッとしなくて。1巻の後すぐにこのゼロを読んだら楽しめそう。にしても、また暗君かい。