読了本

黄蝶の橋 更紗屋おりん雛形帖 (文春文庫)

黄蝶の橋 更紗屋おりん雛形帖 (文春文庫)

黄蝶の橋 更紗屋おりん雛形帖/篠綾子
シリーズ2作目。うーん、何だかずいぶん史実寄りになっててバランスが悪かった気が。世相を絡めるのはいいけど、おりん視点から外れていろいろ盛り込みすぎると、逆にこの作品の魅力を薄めてしまうと思う。歴史ものが書きたいのかと思えばバカ殿とかチャンバラとか出てくるし……。個人的にはおりんが雛形帖をこれからどう活かしていくのかに興味がある。更紗屋、再興するんだよね? 桜木が訳ありっぽいのはどこまで引っ張るんだろう。

虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)

虹の岬の喫茶店森沢明夫
初老の女主人が営む、へんぴな場所にあるがとても美味しいコーヒーを出す喫茶店に集まる人々の姿を描く連作短編集。悪人が出てこない良い話ではあるけれど、毎回泣かせにかかってくるねえ……と思ってしまうヒネた読者なので若干引き気味に。『癒し屋キリコの約束』は展開にメリハリが効いてて毒もあって楽しめたのにな。あと1点気になったのが、なんで作中人物の癌率がそんなに高いのかと。日本人の死因第一位とはいえ。

「粗食」のきほん~ごはんと味噌汁だけ、あればいい~

「粗食」のきほん~ごはんと味噌汁だけ、あればいい~

「粗食」のきほん ごはんと味噌汁だけ、あればいい/佐藤初女幕内秀夫、冨田ただすけ
すべてにうなずける訳じゃないものの、ご飯と味噌汁が美味しいのは確かに嬉しい。若い頃はそうでもなかったのにな。初女さんがマクロビを「大っきらい(笑)」と言い切ったのが面白かった。私もマクロビのよさがぜんぜん分からないんだわ。冨田さんはどこに出てきてるのかと思ったら、後半に掲載されてるレシピが全部そうなのかな。春の菜飯に夏の南瓜味噌汁、じつに美味そう。